「安倍政権の歴史認識を批判し安保法制整備に反対する決議」を発出しました

安倍政権の歴史認識を批判し安保法制整備に反対する決議

2015年4月25日

東京歴史科学研究会総会

 2014年7月1日、第二次安倍晋三内閣は「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目ない安全保障法制の整備について」とする文書を閣議決定した。これは日本国憲法下で集団的自衛権の行使が可能であるとする解釈改憲の企てであり、自衛隊に自衛権の範囲を逸脱した活動を許し、国外での武力行使に途をつけようとするものに他ならなかった。現在この閣議決定に基づき集団的自衛権行使を含みこむ新たな安保法制が策定されつつあるが、安倍政権の主張する「積極的平和主義」のもと進められるこうした動きは、その手法・目的、いずれに照らしても憲法の基本原理、即ち平和主義・民主主義・立憲主義への深刻な挑戦である。
 また、その背後にある歴史認識の問題において、安倍政権は重大な問題を抱えている。まず、先日、中学校教科書検定の結果が発表された。教科書検定基準の改悪以後、初の検定であったが、日本軍「慰安婦」や関東大震災時の朝鮮人虐殺などの日本による加害記述を大幅に削除するものであった。さらに、今夏に発表が予定される「戦後70年談話」においては、侵略戦争と植民地支配の責任が曖昧にされることが憂慮される。
 自衛隊の活動における制約や、いわゆる「文官統制」に代表される組織上の様々な仕組みは、過去に侵略戦争に突入したこと、そして引き起こした惨禍への反省を踏まえてのものであった。しかし、誤った歴史認識に基づく安倍政権の下において進められる自衛隊活動の改変が、適正を欠くのは必然である。集団的自衛権行使容認や自衛隊の海外活動拡大に向けたこころみは、その最たるもののひとつと言える。
 当会は安倍政権の安全保障政策に強い危惧を抱き、引き続き不当な解釈改憲とこれを実質化する安全保障法制の改悪に強く反対するものである。さらに、こうした政策を支える安倍政権の歴史認識を、強く批判するものである。

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